過激派組織「イスラム国」(IS)を誕生させたもの

  • 2017.08.18 Friday
  • 15:41

 今日、世界で最大のテロの恐怖といえば過激派組織「イスラム国」(IS)を置いてほかはないであろう。

 そして、その「イスラム国」を誕生させたのが、2003年のアメリカによるイラク侵攻に端を発していることを疑う余地は無い。

 当時、フセイン政権下でイラクの権力をほぼ独占していたのは国民の2割にすぎないイスラム教スンニ派であったが、アメリカのイラク侵攻によって同政権が崩壊すると代わって誕生した政権は国民の6割を占めるシーア派であった。当然スンニ派は冷遇され、元軍幹部など100万人が失業したとされる。その冷遇されたり、追放されたスンニ派の受け皿となったのが、スンニ派の過激派組織「イスラム国」(IS)なのである。

 810日付の朝日新聞は、ロイター通信によると2~32000人と推定されるIS戦闘員の9割はそのスンニ派のイラク人であるとする見方を伝えていると報道している。世界各地で繰り返される「イスラム国」のテロの恐怖を考えると、世界の警察官を自認するアメリカの世界統治の失敗というほかないだろう。

 ところで、『ウォール・ストリート・ジャーナル』の分析によると世界のイスラム教社会は90%がサウジアラビアやバーレーン、アラブ首長国連邦といった国のスンニ派で構成されており、少数派のシーア派はイランとイラクである。シリアもシーア派の分派であるとされる。

 そして、両派の最大の違いは、後継者をめぐる問題である。

 多数派のスンニ派はイスラム世界の指導者は必ずしも世襲される必要はないと考えているのに対して、一方、少数派のシーア派はイスラム教の預言者ムハンマドの後継者は義理の息子イマーム・アリーであり、イスラム世界の指導権はムハンマドの子孫に引き継がれるべきだと信じている。そして、シーア派はイマーム・アリーとその子孫を崇拝し、イマームと11人の子孫を祭る聖廟に年に一度巡礼するという。シーア派は生存する宗教指導者らを信奉するのである。

スンニ派の盟主を自認するのがサウジアラビアであり、シーア派の大国がイランである。

 かつて芥川龍之介は人生の戒めを綴った箴言(しんげん)集『侏儒の言葉』の中で、「日本には一木一草に神が宿る」と多神教国家日本の本質を言い表したが、つくづく宗教とは何であるかを考えさせられる。  

写真はウィキペディアよりイスラム国(ISIL)の戦闘員


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