植物の不思議。アジサイのアルミ毒について

  • 2017.06.21 Wednesday
  • 18:23

 アジサイの季節である。アジサイというと手鞠のような青い花を思い浮かべるが、実はこのようなアジサイは人工的に改良された園芸品種であることを渡辺一夫氏の『アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか』(築地書房)という本で初めて知った。

 原種は野生種のガクアジサイで主に伊豆諸島に自生する日本の固有種であるという。ガクアジサイの「ガク」は「額縁」のことで、絵の額縁のように縁取る「装飾花」を持つことからその名がついた。ガクアジサイは、オシベとメシベを備えた小型の「両性花」が花の中心にあって、花粉を出したり、種子をつくる生殖の機能を担っており、「装飾花」は目立つことによって花粉を運ぶ虫をひきつけようとしているのである。

 園芸品種のアジサイは鮮やかな青色の「装飾花」ばかりが鞠のようにつき、基本的に「両性花」はなく、結実しないので主に挿し木で増やされてきた。江戸時代以前であるという。いわばクローンとして増やされてきた訳だ。

 鑑賞用に売られている西洋アジサイはヨーロッパ原産と思われがちだが、元々は江戸時代に日本のガクアジサイが中国を経由してヨーロッパに持ち込まれ、品種改良されたものであるという。

 ところで、アジサイの葉には毒がある。食べると激しい嘔吐などの症状が出る。毒の成分は不明のようだが、青酸配糖体やアルカロイドの可能性があるという。アジサイの葉が毒を持つ理由は、葉を食べる食害者を追い払うためだが、アジサイの「装飾花」の細胞の中には「液胞」という液体で満たされた「袋」があり、その中にはアントシアニンという色素が含まれており、この色素の赤みが強いと花は赤くなり、土中から吸収されたアルミニュウムが赤いアントシニアンに作用すると青いアントシニアン色素ができ、花は青くなるという。

 アルミニュウムはアジサイにとって根の成長を妨害する有害な物質で、「液胞」の中に閉じ込めて拡散を防いでいるのである。

 そうするとだんだん金属が植物に溜まっていくが、このような植物を「金属集積植物」といい、金の粒子を葉に溜めこむ性質があるユーカリは、オーストラリアで金鉱脈の探査法として有望視されているという。

 この、金属集積植物を利用して、福島第一原発の事故で汚染された土壌の放射能を除去しようという応用も期待されているという。植物とは不思議なものだ。


写真はウィキペディア「アジサイ」より「ガクアジサイ」


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