「黄金の国」ならぬ「漆の国」日本

  • 2017.12.06 Wednesday
  • 18:15

 十数年前、青森に出かけた時、東北新幹線の岩手県二戸(にのへ)あたりに漆の木がやたらに多いのが気になっていたが、124日付の日本経済新聞のコラム「列島追跡」でその謎が解けた。

 コラムによると、国産漆の75%を二戸市の浄法寺漆が占めるという。

 中国やインドを原産とする漆の日本列島における歴史は古く、漆の利用は縄文時代から開始され、現存する最古の漆塗り製品とされている北海道函館市の垣ノ島遺跡で出土した漆塗りの副葬品は約9,000年前のものであることが明らかになっている。

 日本では古くから植栽されていたようで樹液から塗料、実から蠟(ろう)が作られる。中国産と日本産が良品であるという。

 漆の木の表皮に切り傷をつけると、傷口から乳白色の樹脂を分泌するので、採取して原料とする。

 漆は苗木を植えてから採取できるまで約15年かかるようで1本の木から200グラムほどの樹液を採取した後は伐採し、新たに植林しなければならないという。二戸では代々その営みが続けられてきたということだ。

 武田信玄を中心に武田家や家臣団の逸話や甲州流軍学を記述し、江戸時代に出版された『甲陽軍鑑』には武田信玄が織田信長に漆を贈ったという逸話が記されており、今も津軽漆や会津塗、輪島塗、越前漆器、紀州漆器など全国に10数ヵ所の漆器産地があるなど、日本は、「黄金の国」ならぬ「漆の国」なのである。

 古くから天然の接着剤や塗料などとして日本に根付いてきた漆だが、近年は、化学塗料の普及や生活スタイルの変化で漆器は日常生活から遠のいている。

 16年の国産漆器は1.2トンほどで、国内で流通した約44トンのほとんどは価格が5分の1と安い中国産であるという。

 ところが、2018年度から文化庁が国宝や重要文化財の建造物を修復する際には、全て国産漆を使用するように通知したことから、国産漆が注目されている。

 コラムによると、二戸市で地元の岩手銀行の行員などが、支援して毎年2万本の苗木を植えて行く方針だという。

 コラムは、かつて漆器を使っていた和食が世界遺産となったことで、和食とともに漆器も世界にPRできないか、「漆の国」の復活を期待している。

 

写真はウィキペディアよりウルシの木


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