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    革命児サパタを知っていますか

    • 2017.02.23 Thursday
    • 17:51

     道端で物を売る女性が小石をコツコツと打ち鳴らす。小石の音を近くで聞いた農夫がやはり小石を打ち鳴らし、小石の音は何人もの人の手を経て、やがて人里遠く離れた山岳の革命軍の砦にまで届き、危険を知らせる。

     

     40年以上も前の学生時代に観た映画『革命児サパタ』の感動的ワンシーンである。映画『波止場』やジェームズ・ディーンの出世作となった映画『エデンの東』などで知られるアメリカの名監督エリア・カザンの監督作品で、ノーベル文学賞作家のジョン・スタインベックが脚本を書いたこの映画はメキシコの国民的英雄で1900年代初頭のメキシコ革命の指導者の1人であるエミリアーノ・サパタ(1879年〜1919年)を主人公とした作品である。

     サパタが生まれた当時のメキシコはディアス大統領のもと大農園主が土地を支配し、インディオを農奴として搾取していた。インディオの血の濃い白人との混血であるサパタは裕福な農場主と見られていたが、やがてインディオの権利運動に没頭し、武力闘争による解放軍を組織する。

    ディアス大統領が辞任後、対立候補であったマデロが政権の座についたが、サパタは「強奪された土地・森林・水利などの財産は、正当な権利を有する村及び人民がただちに保有するものとする」という有名な「アヤラ綱領」を発表し、さらにマデロを反革命によって殺したウエルタ将軍の政府に対しても武力闘争を継続する。いわゆる「メキシコ革命」である。

     1919410日、サパタは政府軍の将校の計略によって暗殺され、40年の生涯に幕を閉じる。

     

     トランプ第45代米国大統領は、メキシコの対米赤字と不法移民が米国経済を圧迫しているとして国境に壁を作ると宣言し、「北米自由貿易協定(NAFTA)」も見直すと物議をかもしているが、皮肉にもサパタにちなんだ、メキシコで最も貧しい州とされるチアバス州を中心に活動するゲリラ組織のサパティスタ民族解放軍はNAFTAによって貿易関税が消失し、米国産の競争力の強いトウモロコシが流れ込むとメキシコの農業が崩壊し、農民が窮乏化すると1994年に武装蜂起した。事実、メキシコではNAFTA発効後、多くの農民が自由競争に敗れて失業し、北部国境を越えて米国に流入しているのである。

     

    写真はウィキペディアよりエミリアーノ・サパタ


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