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    原子力事業で経営危機に陥った名門東芝と破綻した原発の安い電気料金

    • 2017.03.02 Thursday
    • 17:39

     半導体メモリー国内最大手で従業員数36,600名を抱える総合電機大手の東芝が、原子力事業で7,125億の巨額の損失を出し、3月末の決算で1,500億円の債務超過となる見通しで存亡の危機に立っている。

     227日には傘下に東京証券取引所を持つ日本取引所グループの最高経営責任者が「あれほど歴史ある巨大な名門企業が上場廃止リスクを抱えている事態を大変憂慮している」と定例記者会見でコメントを発表した。

     東芝といえば明治8年(1875年)の創業で142年の歴史を誇り、明治23年(1890年)には日本で最初の家庭用白熱電球を生産して市場をほぼ独占。戦後の昭和24年(1948年)に第4代社長に就任した石坂泰三は経団連会長を務め、「財界総理」の異名を持つなど財界にも影響力を発揮した。

     また、昭和40年(1965年)に経営難に陥っていた東芝の再建を託されて第6代社長に就任した土光敏夫は、昭和56年(1981年)に中曽根康弘行政管理庁長官に請われて第2次臨調会長に就き、「増税なき財政再建」「三公社(国鉄・専売公社・電電公社)民営化」を旗印に「行政改革」に執念を燃やした。

     東芝は世界シェア2位の虎の子の半導体メモリー事業を売却、原子力事業の巨額損失を賄う考えのようだが、原子力事業の縮小は避けられず、三菱重工業、日立製作所とならぶ原発メーカーである東芝の経営危機は遅々として進まぬ福島第1原発の廃炉にも影響が出そうだ。

     ところで、228日付の日本経済新聞は「原発漂流」の囲み記事で「消えた『低廉』の2文字」の見出しで、政府が原発を受け入れている地元の首長に宛てた再稼働の要請書から「低廉」の文字を消したと報道している。

     経産省は昨年末に福島第1原発や廃炉の賠償の費用は2154億と試算しており、「安全対策などの費用を考えれば、原発の電気が安いとはもう声高に言えなくなった」と経産省の幹部は漏らしているとも報道している。

     54基の原発のうち現在、稼動しているのは3基のみ。それでも電気が足りなくなって生活や産業に影響が出ていることはない。

     原子力の平和利用である原発の安い電気料金と言う政策はここにきて破綻したと言える。


    写真はウィキペディアより福島第一原子力発電所事故の画像



    福島第一原子力発電所事故.jpg